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ウィスキーとは
ウィスキーとは、もとはといえばスコットランドの地酒。大麦が主原料の蒸留酒。風味の決め手はピート(泥炭)と寝かせる樽と年数。 3年以上寝かせればウィスキーの誕生です。 製法(生産方式)で分ければ「モルトウィスキー」と「グレーンウィスキー」に大別でき、 製品で分ければ「ブレンデッドウィスキー」と「シングルモルトウィスキー」が二大潮流といえます。
モルトウィスキーとグレーンウィスキー
モルトウィスキーは古来の製法によりアルコールを抽出します。
簡単にいいますと、まず原料の大麦のデンプンを糖にするため発芽させます(写真右下)。
が、このまま成長させると逆に糖が失われるため一定で発芽を止めます。 この時、ピート(泥炭)を使って燻し乾燥させて成長を止め(写真左下)、これを細かく砕き、 お湯を加えて糖液を搾り出します。 この糖液にイースト菌を加え発酵させます。そうです、ホップのないビールができると思ってください。 これを蒸留します。この時使うのが、伝統のポットスチルという単式蒸留釜(写真上)。 一般的に2回蒸留し一滴一滴ていねいに取り出したこのアルコールエキスをオーク樽で寝かせて3年。 原料の大麦麦芽、麦芽の発育を止めるためのピート(泥炭)、仕込み水、ポットスチルの形状、 そして寝かせるオーク樽などによって、蒸留所ごと風味は千差万別のウィスキーとなります。 一方、グレーンウィスキーは、雑穀類を主原料に、19世紀中頃に開発された近代的な連続式蒸留機によって 一気にアルコール化するものです。 基本的に純度の高いアルコールを短時間に抽出するため、風味がどうこうというよりも、 ドライなホワイトスピリッツと思ってください。これも3年寝かせてなければウィスキーと呼びません。
ブレンデッドウィスキーとシングルモルトウィスキー
憧れのジョニ黒、オールドパー、バランタイン、全てブレンデッドウィスキー。 先に述べた特徴ある各蒸留所のモルトウィスキーをブレンドし、 そのそれぞれのモルトをさらにバランスよく結びつけるために、 グレーンウィスキーをブレンドしたもの。 一般的にモルトは数十種類、グレーンは数種類がブレンドされています。 これによって、ある意味クセのある地酒であったスコッチを、香りはより華やかに、 味わいはより深みを増し、最大多数に美味しく飲める酒となりました。 紅茶もこのブレンドという普遍化によって世界中で愛されたように、スコッチも世界のウィスキーとなりました。 このタイプのブレンデッドウィスキーが生まれたのは1860年のことです。 では、それまで飲まれていたウィスキーはというと、当然、伝統的な手法でつくられたモルトウィスキーであり、 それもおそらく「単一の蒸留所でつくられたモルトだけを瓶詰めしたシングルモルトウィスキー」だったでしょう。 グレーンはもちろん、他の蒸留所のモルトも一切ブレンドしない、 各蒸留所のそれぞれ特徴のあるモルトをそのままに詰めた生一本が「シングルモルトウィスキー」なのです。
シングルモルトウィスキー6つの生産地
 
モルトウィスキーは、地理的に大きく「ハイランド」「スペイサイド」「ローランド」「キャンベルタウン」 「アイラ」「アイランズ」の6つの生産地に区分されています。 お手元に地図帳があればご参照いただければと思います。 地勢上の分類ですから風味が共通の画一的なものではありません。 100あれば100の風味がシングルモルトなのですから。 とはいいつつ風情としての味わいを私なりに表現しておきます。
「ハイランド(HIGHLAND)モルト」
スコットランドは、東のダンディー、西のグリーノックを結ぶ線を境に北側をハイランド地方、 南側をローランド地方と古くから分けて呼んでいます。 その美しい湖沼群と山稜のハイランド地方で作られるモルトです。 広大な地域なので、ここでつくられるモルトも千差万別。東西南北4つに分割して語られますが、 誤解を恐れずにいえば、男性的な古武士のようなスコッチがあるような気がします。
「スペイサイド(SPEYSIDE)モルト」
ハイランドモルトの中でもスペイ川流域でつくられるモルトを特にこう呼びます。 フライフィッシングの好きな方は、ダブルハンドのスペイキャストでサーモンフィッシングの本場としてご存知の川です。 スコットランドの約半分の蒸留所がここにあります。 本場中の本場、モルトのメッカですので、スコッチらしいスコッチ、しかも最上の、といった形容詞が使われるモルトが多くあります。
「ローランド(LOWLAND)モルト」
前述した境界線の南側がローランド。 イングランドと接しており、かつてはハイランドと同じくらいの多くの蒸留所がありました。 今はモルトの蒸留所としては3カ所が操業するのみ。現存する最古の蒸留所もこのローランドにあります。 モルトだけでいえば孤城のたたずまいといえましょうか。 グラスゴー、エジンバラといった都市を含み緩やかな丘の田園風景のイメージとあいまって、優しく儚い味わいを感じます。
「キャンベルタウン(CAPBELTOWN)モルト」
キャンベルタウンは、アイルランド島に向けてぐいっと伸びたキンタイア半島の先端にある小さな町です。 この町に20世紀初頭には30以上の蒸留所があったといわれています。 当時はモルトウィスキーの町であり華麗なる都といった風情だったのでしょうか。 今は2つの蒸留所が残っていますが、ともに華やかな時代を思い出させるような芳醇な香りと妖艶な味わいを持つモルトです。
「アイラ(ISLAY)モルト」
アイレイモルトともいいます。 キンタイア半島のすぐ北西よりのアイルランド島に近い島がアイラ島です。 佐渡島ほどの大きさですが、スコットランドの島々の中で最も多くの蒸留所があるモルトの島です。 蒸留所は全て海辺にあり、厳しく強い潮風が運ぶのであろう「潮の香り」と 海草でできたピートを使っているのではと感じさせる「ヨード臭とスモーキーさ」が特徴の他にはない独特なモルトです。
アイランズ(ISLANDS)モルト」
諸島のモルトということです。 先に述べたアイラ島以外の島々の島酒といえます。 一番北にあるオークニー島、キンタイア半島の南にあるアラン島、 半島を挟んで北のアイラ島の手前にあるジュラ島、その北にあるマル島、 さらにその北に位置するスカイ島の5つの島のモルトを総称してこう呼びます。 味わいは、 それぞれに特徴的な島の生一本となっています。

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